MWC 2019でXperiaフラッグシップモデル「Xperia 1」が発表されました。
Xperia 1は、従来のフラッグシップモデル「Xperia XZシリーズ」から新シリーズに名称が変わっただけでなく、Xperia史上初搭載のアスペクト比21:9ディスプレイやトリプルカメラなど機能面でも大きく変更されています。
Xperia 1と現行フラッグシップモデル「Xperia XZ3」の相違点や特徴などを比較しながら確認してみようと思います。
Xperia 1とXperia XZ3の比較
Xperia 1とXperia XZ3の異なる項目や気になる項目を抽出して比較してみます。
機種名 | Xperia 1 海外SIMフリー | Xperia XZ3 |
---|---|---|
OS | Android 9 | Android 9 |
SoC | Snapdragon 855 | Snapdragon 845 |
本体 サイズ | 167x72x8.2mm | 158x73x9.9mm |
重量 | 180g | 193g |
バッテリ | 3330mAh USB PD | 3330mAh USB PD Qi |
画面 | 21:9 6.5インチ OLED 4K 1644x3840 HDR | 18:9 6インチ OLED QHD+ 2880x1440 HDR |
内蔵 メモリ | 6GB/128GB UFS | 4GB/64GB UFS(H8416) 6GB/64GB UFS(H9436/H9493) |
外部 メモリ | microSDXC 最大512GB | microSDXC 最大512GB |
背面 カメラ | 12MP 1/2.6" ExmorRS 26mm F1.6 12MP 1/3.4" 16mm F2.4 12MP 1/3.4" 52mm F2.4 OIS 光学2倍ズーム | 19MP 1/2.3" ExmorRS 25mm F2.0 |
前面 カメラ | 8MP 1/4" F2.0 | 13MP 1/3.06" ExmorRS 23mm |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
USB | USB 3.1 Type-C | USB 3.1 Type-C |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証 |
NFC | 対応 | 対応 |
おサイフ ケータイ | - | - |
ワンセグ/ フルセグ | -/- | -/- |
耐久性 | IP65/68 | IP65/68 Corning Gorilla Glass 5 |
SIM | nanoSIMx1/2 | nanoSIMx2 |
その他 | - | - |
発売時期 | 2019年5月末 | 2018年10月 |
基本性能
Xperia 1は、SoCに「Snapdragon 855」搭載となっています。
Snapdragon 855は、Snapdragon 845と比べてCPUが45%、GPUが20%ほど処理能力が向上しているとされています。8つのコアは、1つの2.84GHz含む高性能な4つのコアと省電力な4つのコアの構成となっています。高駆動コアによるパフォーマンスの安定化、省電力なコアの組み合わせによる省電力化というバランスのとれたSoCと考えられます。
欧州と香港のSony Mobile公式サイトを見る限りRAM/ROMの搭載にバリエーションがなく、RAMは6GB搭載のみ、ストレージは128GBに容量が倍増されています。
ディスプレイ、本体サイズ
Xperia 1は、スマホ史上初アスペクト比21:9 CinemaWideディスプレイが搭載されています。
アスペクト比21:9は、主な映画スクリーンの2.35:1とほぼ同じ比率です。従来の18:9から変更してきたのは、Xperiaにこれまで以上のエンターテイメント性を求めたSony Mobileの意思の現れと言えるかもしれません。最近の迷走具合と比べれば、こういった趣向でモノ作りをするのが従来のソニーに合致しています。
本体は、ディスプレイサイズが6.5インチにアップした影響によりかなり縦長な形状です。デザイン面は、Xperia XZ2でラウンド化しXperia XZ3で少し矯正されたボディがXperia 1でさらにシャープになっています。
幅1mmと厚さ1.7mm(最大)の縮小および軽量化により持ちやすくなっていそうですが、背面が以前よりフラットになった影響がホールド感にどう影響するか気になるところです。
指紋認証センサーのある側面にボタンが3つ存在します。上からボリュームボタン、(指紋認証センサー)、電源ボタン、カメラシャッターボタン。Xperia 10/10 Plusは、ボリュームボタンと電源ボタンの2つだったので違いがあるようです。
カメラ
Xperia 1は、Xperia史上初トリプルレンズカメラ搭載となっています。
新搭載のカメラ機能は、瞳を検出してオートフォーカスする「瞳AF」、AF追従に加え、AE(自動露出)にも追従する10コマ/秒の高速連写、光学2倍ズームや背景ぼけ撮影など。新開発の画像処理エンジン「BIONZ X for mobile」による画質向上も図られています。
12MPが3つということなのでXperia XZs/XZ Premiumから継続して搭載されたIMX400から変更されたようです。
スペックから12MP 26mmカメラはIMX345と推察されます。IMX345は、IMX400と似た仕様のDRAM積載型CMOSイメージセンサーです。大きく異なる点として手ぶれ補正メカニズム、IMX400が振動ジャイロ機構による手ぶれ補正に対しIMX345は光学式です。
残り2つ+フロントカメラは、Exmorの記載がないので社外品の可能性があります。旧機種のホワイトペーパーにExmor非搭載の記録があるので過去には社外品が搭載されていた可能性がありますが、最近だと2017年発売のXperia R1にサムスン製S5K4H8が搭載されたのが記憶に残るくらいで、それ以降は記憶にありません。記憶にないだけでエントリーモデルには搭載されているかもしれません。
複眼になったことで多様性を持たせるという意味で社外品の搭載は理解できますが、単眼のフロントカメラも社外品となると理解に苦しみます。
バッテリ
気になるバッテリ容量は、3330mAhから搭載量に変化がありません。
ディスプレイ大型化による消費電力の増加とSnapdragon 855による省電力化により、同等程度のバッテリライフが保てそうな気がします。
Snapdragon 855は5G対応のSoCですが、幸い?にしてXperia 1は5G非対応となっています。5Gでは高速通信のためにより多くの電力を消費し、それに応じた発熱もあると言われているので対応すると豊満ボディ化しそうです。現時点では5G非対応の方が好ましいと思います。
機能面では、ワイヤレス充電(Qi)非対応になったようです。
モバイルネットワーク
機種名 | モバイルネットワーク |
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Xperia 1 | GSM GPRS/EDGE (2G) Bands 850/900/1800/1900 UMTS HSPA+ (3G) Bands 1,2,4,5,6,8,19 LTE (4G) 1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,19,20,25,26,28,29,32,34,38,39,40,41,46,66 |
Xperia XZ3 | GSM GPRS/EDGE (2G) Bands 850/900/1800/1900 UMTS HSPA+ (3G) Bands 1,2,4,5,6,8,19 LTE (4G) 1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,19,20,25,26,28,29,32,38,39,40,41,66 |
Xperia XZ3は公式な情報が見当たらないので暫定です。
モデル番号
J8110, J8170, J9110の3つのモデルが存在するようです。
Xperia XZ3に倣えば、J8110/J8170が欧州/米国のシングルSIMモデル、J9110がデュアルSIMモデルと考えられます。
まとめ
従来と異なるアスペクト比21:9を搭載してくるというのは評価したいところですが、やはりトリプルレンズカメラにToFセンサーが搭載されなかったのが非常に残念です。
個人的には、Xperia Touchの機能が追加されれば面白そうなんですが、やはりToFセンサー待ちでしょうか。今夏に量産体制に入るようなので次期モデルに期待です。