2018年2月26日、Sony Mobileがスペインのバルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress(MWC)」でXperiaの2018年新機種「Xperia XZ2 Compact」を発表しました。
「Xperia XZ2 Compact」は2017年8月に発表された「Xperia XZ1 Compact」の後継機種にあたり、SoCにSnapdragon 845、アスペクト比18:9のフルHD(1080x2160)HDR動画再生対応5インチ液晶などを搭載するハイエンドコンパクトモデルです。
コンパクトモデルでは初となるフルHD対応、アスペクト比18:9の液晶搭載という大きく変化した「Xperia XZ2 Compact」ですが、「Xperia XZ1 Compact」と比較しながら概要を確認してみます。
Xperia XZ2 Compactのスペック
Xperia XZ1 Compactとの比較
機種名 | Xperia XZ2 Compact | Xperia XZ1 Compact |
---|---|---|
OS | Android O | Android O |
SoC | Snapdragon 845 | Snapdragon 835 |
本体 サイズ | 135x65x12.1mm | 129x65x9.3mm |
重量 | 168g | 143g |
バッテリ | 2870mAh Quick Charge 3.0 USB PD | 3180mAh Quick Charge 3.0 USB PD |
画面 | 18:9 5.0インチ FHD+ 1080x2160 HDR | 4.6インチ HD 720x1280 |
内蔵 メモリ | 4GB/64GB UFS | 4GB/32GB UFS |
外部 メモリ | microSDXC 最大400GB | microSDXC 最大256GB |
背面 カメラ | 19MP 1/2.3" ExmorRS 25mm F2.0 | 19MP 1/2.3" ExmorRS 25mm F2.0 |
前面 カメラ | 5MP 1/5" ExmorR 23mm F2.2 | 8MP 1/4" ExmorR 18mm |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
USB | USB 3.1 Type-C | USB 3.1 Type-C |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証 |
NFC | 対応 | 対応 |
おサイフ ケータイ | - | - |
ワンセグ/ フルセグ | -/- | -/- |
耐久性 | IP65/68 Corning Gorilla Glass 5 | IP65/68 Corning Gorilla Glass 5 |
SIM | nanoSIMx2 | nanoSIM |
その他 | - | - |
発売時期 | 2018年3月 | 2017年9月 |
SoCにSnapdragon 845搭載
SoCがQualcommのSnapdragon 835からSnapdragon 845に変更されています。
835は性能向上、低電力化、低発熱と3拍子そろう非常に優れたSoCでしたが、845は性能は向上していますが若干発熱しやすいと言われています。ただ、大きなパフォーマンスの低下に影響するほどではないようなのでXperia Z4のような発熱問題にはならないと思われます。
5インチ液晶、フルHD
4インチ台の小型液晶搭載がコンパクトモデルの代名詞となっていましたが、コンパクトモデル初の5インチ液晶搭載となっています。解像度もHDからフルHDに変わり、画面の見やすさ、美しさはもはや別物という感覚です。
また、アスペクト比が16:9から18:9に変わり、縦向きに使うことが多いスマホでは使いやすさがかなり向上するのではないかと思います。
ROMが64GBに倍増
内部ストレージのサイズが32GB→64GBに倍増しています。今作からデュアルSIMモデルとなっていますが、ハイブリッドトレイなのでSIMを2枚刺すとSDカードが使えなくなってしまいます。内部ストレージの倍増は、SIMを2枚刺す人には非常に助かると思います。
前面カメラが13MP→5MP
Xperia XZ2でも同様ですが、前面カメラの画素数が13MP→5MPと大きく落ちています。CCDが1/4″から1/5″に小型化されているので同等の性能ということではありませんが、5MPカメラの搭載はXperia Z5まで遡ります。接写が基本の前面カメラなら5MPでも十分という気がしないでもないですが、大幅減は気持ちのいいものではありません。
また、Xperia XZ1 Compactの売りだった120度広角レンズもなくなっています。120度広角レンズはXperia XA2シリーズに搭載されているだけに本当になぜ搭載しなかったのか疑問が残ります。
バッテリ容量が微増
バッテリ容量が2700mAh→2870mmAhに若干ですがアップしています。しかし、GSMArenaのBattery life testsの結果はXperia XZ1 Compactが108時間に対しXperia XZ2が88時間とかなり落ち込んでいます。ディスプレイの大型化、高解像度化の影響なのか消費電力はかなり増しているようです。
厚さが約3mm、重量が168gにアップ
詳しくは後述しますがデザイン変更によりエッジ部分が7mm、中央部分が12.1mmというその差5mmというかなりのラウンドボディとなっています。前作から最厚部で約3mmアップがホールドした時にどう影響するか気になるところです。
また、重量が143g→168gと大幅に増量しています。すでにコンパクトに持つ印象に収まる重量なのかわかりませんが、168gは近年のハイエンドモデルの重量とそう違いがありません。Xperia XZ2 Compactに限らずXperia XZ2/XA2シリーズ全部がかなり増量しています。
Xperia XZ2ではバッテリ容量の増量による影響かと思いましたが、Xperia XZ2 Compactはそれほどバッテリ容量が増えていないので基本的な部品点数が増えているか特定の部品が増量しているのかもしれません。
Xperia XZ2 Compactの外観
Xperia XZ2 Compact
Xperia XZ1 Compact
Xperia XZ2 Compactの外観は大きく変化しています。エッジ部分はこれまで以上に丸みを感じますが、背面はエッジ部分の厚みが7mmに対し中央部分が12.1mmと大きく膨らむ形状となっているのが特徴的です。丸みが付いた分ホールド感は増してそうです。コンパクトモデルの象徴と言える幅65mmはキープし続けています。
液晶のアスペクト比が変わり縦長になっていますが、上下のベゼルは若干狭くなっている印象を受けます。
長く馴染んだ「Xperiaらしい」デザインからはずいぶん変わってしまいましたが、両機を見比べてみるとXperia XZ1 Compactのデザインは古臭く感じ、Xperia XZ2 Compactの方が好印象です。
小型のXperia X Performance?
5インチのディスプレイサイズはXperia X Performanceと同サイズなので少し比較してみたところ、縦横はかなり小さいですが重量はほぼ同量です。Xperia X Performanceより高性能で小型にしたと思えば168gの重量も少しは気にならなく・・・なりませんよね。
機種名 | Xperia XZ2 Compact | Xperia X Performance |
---|---|---|
本体 サイズ | 135x65x12.1mm | 144x70x8.7mm |
重量 | 168g | 165g |
Xperia XZ2 Compactの対応ネットワークバンド
Xperia XZ2 Compact (H8324)、Xperia XZ1 Compact (G8441)のネットワークバンドを比較してみます。
機種名/Model | ネットワークバンド | |||
---|---|---|---|---|
Xperia XZ2 Compact H8324 | 3G | B1/2/4/5/6/8 | ||
4G | B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/19/20/25/26/28/38/39/40/41/66 | |||
5G | 非対応 | |||
Xperia XZ1 Compact G8441 | 3G | B1/2/4/5/6/8/19 | ||
4G | B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/19/20/25/26/28/38/39/40/41/66 | |||
5G | 非対応 |
3Gネットワーク詳細
Band | 周波数 | 通信キャリア | H8324 | G8441 |
---|---|---|---|---|
1 | 2100 | NTTドコモ(FOMAサービスエリア) ソフトバンク(SoftBank 3G) アジア | ○ | ○ |
2 | 1900 | PCS 米AT&Tモビリティ 米T-Mobile 加Rogers | ○ | ○ |
4 | 1700/2100 | AWS 米T-Mobile | ○ | ○ |
5 | 850 | 米AT&Tモビリティ 豪Telstra 加Rogers ブラジルClaro Telemig Celular | ○ | ○ |
6 | 800 | NTTドコモ(800MHz帯再編終了前のFOMAプラスエリア) | ○ | ○ |
8 | 900 | フィンランドElisa タイAIS 豪Optus Vodafone ソフトバンク(プラチナバンド) | ○ | ○ |
19 | 800 | NTTドコモ(800MHz帯再編終了後のFOMAプラスエリア) | - | ○ |
4Gネットワーク詳細
Band | 周波数 | 通信キャリア | H8324 | G8441 |
---|---|---|---|---|
1 | 2100 | NTTドコモ KDDI/沖縄セルラー電話 ソフトバンク 中国、タイ、フィリピン | ○ | ○ |
2 | 1900 | カナダ 中南米 | ○ | ○ |
3 | 1800 | NTTドコモ (東名阪バンド) 楽天モバイル(MNO) ソフトバンク 中国、香港、台湾、タイ 豪州、ニュージーランド 欧州 | ○ | ○ |
4 | 1700/2100 | 米国 | ○ | ○ |
5 | 850 | 豪州 中国 | ○ | ○ |
7 | 2600 | 台湾、香港、タイ(予定) TeliaSonera (北欧) 豪州、ニュージーランド カナダ、中南米 | ○ | ○ |
8 | 900 | ソフトバンク 中国、台湾 タイ、インドネシア 欧州 中南米 ニュージーランド | ○ | ○ |
12 | 700 | T-Mobile US AT&Tモビリティ | ○ | ○ |
13 | 700 | ベライゾン・ワイヤレス | ○ | ○ |
17 | 700 | AT&Tモビリティ ドコモパシフィック | ○ | ○ |
19 | 800 | NTTドコモ | ○ | ○ |
20 | 800 | 欧州 | ○ | ○ |
25 | 1900 | 米国 (Sprint) | ○ | ○ |
26 | 850 | KDDI/沖縄セルラー電話 (MFBI) 米国(Sprint) 中国(中国電信) | ○ | ○ |
28 | 700 | NTTドコモ KDDI/沖縄セルラー電話 ソフトバンク/ウィルコム沖縄 (旧:ワイモバイル) 台湾 豪州、ニュージーランド ブラジル、中南米 | ○ | ○ |
38 | - | タイ(予定) 中国、台湾 欧州 ロシア | ○ | ○ |
39 | - | 中国 | ○ | ○ |
40 | - | タイ(予定) 中国、香港 豪州 インド 南アフリカ インドネシア | ○ | ○ |
41 | - | 米国 (クリアワイア) 中国 Wireless City Planning(AXGPサービス) UQコミュニケーションズ(WiMAX 2+) | ○ | ○ |
66 | - | ○ | ○ |
日本市場対応
Model | ドコモ | ソフトバンク | ||
---|---|---|---|---|
3G | 4G | 3G | 4G | |
H8324 | 1/6/19 | 1/3/19/21/28/42 | 1/8 | 1/3/8/11/28/41/42 |
G8441 | 1/6/19 | 1/3/19/21/28/42 | 1/8 | 1/3/8/11/28/41/42 |
Xperia XZ2 Compactは、3Gバンド19に非対応となっています。バンド6と19は同じ基地局を使っているという話もあり、バンド6に対応していればエリアに違いはないと思われます。
Xperia XZ2の新機能
フルHD+ 5インチディスプレイ搭載
Xperia XZ2 CompactはXperiaのコンパクトモデル初となるアスペクト比18:9の5インチディスプレイを搭載。解像度はフルHD+にアップしています。また、HDRに対応し、これまでとは比較にならない程ディスプレイ性能が向上しています。
液晶サイズアップによる本体サイズの変化は、縦に6mm伸び横幅はこれまでと同じ65mmです。縦の伸びはアイコン1列分に相当します。画面の最上部に指が届きにくい場所をタップしたい場合には、画面の最下部を右、または左にスワイプすると画面が縮小する「片手モード」に切り替わります。
世界初4K HDR動画撮影
Xperia XZ2は世界初の4K HDR動画撮影に対応。これまでより色鮮やなコントラストをなす真に迫る動画の撮影が可能に。
デュアルSIM対応
Xperiaコンパクトモデルでは初となるデュアルSIM対応です。ただ、他のデュアルSIMモデルと同様、SDカードと排他となるハイブリッドトレイなのでSIMを2枚刺すとSDカードが載せられません。
まとめ
ディスプレイの大型化や高解像度化は非常に好印象ですが、やはり気になるのは168gの大幅に増えた重量です。これまでのコンパクトモデル同様、気軽にポケットに入れたり、首にかけたりといった使い方は難しくなるかもしれません。
ただ、あまり注目されていませんが、小型端末でデュアルSIM対応はかなりポイントが高いです。DSDSするにはいい機種になるのではないかと思います。