ソニーモバイルからXperiaのミドルレンジモデル『Xperia M5』が発表されました。Xperia M4 Aquaは今年3月に発表され発売されて間もない機種ですが、Xperia M5はそれからわずか5ヶ月という短い期間での登場となりました。
Xperia M5はミドルレンジモデルという扱いですが、5インチのIPS液晶を搭載し、4K対応2150万画素のメインカメラ、防水・防塵などフラッグシップモデルのXperia Z3+に見劣りしないスペックのスマートフォンです。また、Xperia Z3+を大幅に凌ぐ1300万画素のフロントカメラを搭載しており、需要の高い『自撮り』に強化された機種のようです。
ホワイトペーパーが公開されているので、Xperia M5がどのような機種なのか見ていこうと思います。
Xperia M5
まずXperia M5を前モデルのXperia M4 Aqua、6月に発売されたばかりのフラッグシップモデルのXperia Z3+と比較してみます。
Xperia M5とXperia M4 Aqua/Xperia Z3+の比較
機種名 | Xperia M5 | Xperia M4 Aqua | Xperia Z3+ |
---|---|---|---|
OS | Android 5.0 | Android 5.0 | Android 5.0 |
画面サイズ | 5.0インチ | 5.0インチ | 5.2インチ |
解像度 | 1920×1080 | 1280×720 | 1920×1080 |
パネルの種類 | IPS | IPS | IPS |
CPU | MediaTek Helio X10 2.0GHz 8コア | Snapdragon 615 1.5GHz 4コア 1.0GHz 4コア | Snapdragon 810 2.0Hz 4コア 1.5GHz 4コア |
RAM | 3GB | 2GB | 3GB |
Flash Memory | 16GB | 8GB(E2303,E2353) 16GB(E2306) | 32GB |
外部メモリ | microSD 200GB | microSD 32GB | microSD 128GB |
本体サイズ | 145.0×72.0x7.6mm | 145.5×72.59×7.3mm | 146.3×71.9×6.9mm |
重量 | 142.5g | 136g | 144g |
バッテリ容量 | 2600mAh | 2400mAh | 2930mAh |
バッテリライフ | 通話:12時間11分 待受:607時間 | 通話:13時間17分 待受:779時間 | 通話:17時間 待受:590時間 |
カメラ | 21.5MP 4K | 13MP HD1080p | 20.7MP 4K |
サブカメラ | 13MP Full HD1080p | 5MP Full HD1080p | 5MP Full HD1080p |
防水/防塵 | IP65/IP68 | IP65/IP68 | IP65/IP68 |
ネットワーク | 下記参照 | 参照 | – |
SIMサイズ | nano SIM | nano SIM | nano SIM |
発売時期 | 2015年8月 | 2015年5月 | 2015年6月 |
価格 | €360(未確定) | €299 | €699 |
Xperia M5は、前モデルのXperia M4 Aquaと同じ5インチの液晶を搭載していますが、CPU(1.5GHz4コア+1.0GHz4コア→2GHz8コア)、解像度(1280×720→1920×1080)、RAM(2GB→3GB)、Flash Memory(8/16GB→16GB)など全体的にスペックアップしており、後継機種という名にふさわしいスペックになっています。特にカメラ性能については、4K対応2150万画素のメインカメラ、1300万画素のフロントカメラと大幅にスペックアップされています。
また、Xperia Z3+はXperia Z3のマイナーチェンジという機種ではありますが、Xperia Z3+との比較しても大きく見劣りするのはFlash Memoryくらいで、部分的(特にカメラ性能)にはXperia Z3+を凌ぐスペックを搭載しており、ミドルレンジモデルという扱いでありながらかなりハイスペックな機種になっているようです。
画像は、左:Xperia M5、右:Xperia M4 Aquaです。
Xperia M5の外装デザインは、Xperiaシリーズの定番となっているオムにバランスデザインが採用されており、Xperia M4 Aquaと比較しても大きな違いは感じられません。フロントカメラが大きくなり、これまで電源ボタンと同じ側にあったSIMカードなどのスロットが反対側に移動したというくらいではないでしょうか。キャップレス防水のUSBポートが、本体下側に配置されています。
Xperia M5のネットワークバンド
Model | Netword Bands |
---|---|
E5603 | UMTS HSPA+ 900 (Band VIII), 850 (Band V), 1900 (Band II), 2100 (Band I) MHz GSM GPRS/EDGE 850, 900, 1800, 1900 MHz LTE Bands 1, 3, 5, 7, 8, 20 |
E5606 | UMTS HSPA+ 900 (Band VIII), 850 (Band V), 1700 (Band IV), 1900 (Band II), 2100 (Band I) MHz GSM GPRS/EDGE 850, 900, 1800, 1900 MHz LTE Bands 2, 4, 5, 7, 12, 13, 17, 28 |
E5653 | UMTS HSPA+ 900 (Band VIII), 850 (Band V), 1900 (Band II), 2100 (Band I) MHz GSM GPRS/EDGE 850, 900, 1800, 1900 MHz LTE Bands 1, 3, 5, 7, 8, 28, 40 |
Xperia M5には、ネットワークバンドの異なる3つのモデルがあるようです。対応バンドからE5603は欧州、E5606は北米、E5606はアジア・新興国に対応したモデルではないかと思います。
日本での利用を考えると、バンド1と3の2バンドに対応しているE5603とE5653になりそうですが、2015年導入予定のバンド28に対応しているE5653の方が使い勝手がよさそうです。
まとめ
Xperia M5は、欠点らしい欠点が見つからない非常にバランスのとれたベストバイの機種ではないかと思います。
Xperia M4 Aquaも発売前には非常にバランスのとれた機種だと思われていたのですが、8GBモデルのE2303、E2353ではFlash Memoryの空き容量が1GB程度しかないという困った仕様で問題になりました(この辺りが短い期間でXperia M5が登場の原因の一つではないかと思います)。Xperia M5では全モデルで16GBのFlash Memoryを搭載しており、9.1GBの空き容量があるようなので問題はないようです。
価格は€360程度(約49,000円、€1=137円)になるのではないかと言われていますが、Xperia Z3+の€699(約95,000円)と価格差ほど性能差があるとは思えないので、Xperia Z3+を購入するくらいXperia M5を買ったほうがいいのではないかと思います。
Xperiaのミドルレンジモデルが日本のキャリアモデルとして発売される事はないと思いますが、もしXperia M5が発売されるようであればかなり魅力的な機種である事は間違いないと思います。
また、XperiaではCPUにクアルコムが採用されることが多かった気がしますが、Xperia M5ではクアルコムに代わってMediaTekが採用されています。Xperia Z3+などで採用されたSnapdragon 810は、発熱について大きな問題になりました。それだけが原因で変更されたとは思えませんが、今後Xperiaに採用されるCPUについても注目かもしれません。